アメリカの景気の動向は、全世界に影響を与えます。
そのアメリカの景気を知るための数値の一つに、米国国内の物価変動を示す米CPI(消費者物価指数)があります。
この記事では、米CPI(消費者物価指数)とは?発表される指標の意味と発表日、米CPI(消費者物価指数)の為替への影響とFXトレードへの活かし方について紹介します。
米CPI(消費者物価指数)とは?発表される指標の意味と発表日
- 米国国内の物価が上昇しているのか、それとも下降しているのかを示す指数
米CPIは米労働省が毎月中旬に公表し、その結果に世界中のFXトレーダーが注目します。
米CPIは、食料品などの日用品から衣類、サービスなど約200項目の品目で構成されます。
それぞれの品目の価格の変化が調査され、指数化されます。
米CPIの中で、天候の良し悪しや国際情勢等の理由により変動の激しい食料品やエネルギー関連数値の品目を取り除いた「消費者物価指数コア(以下コア米CPI)」も、注目されます。
日本にも総務省統計局が毎月公表するCPIがあるため、米CPIとは区別しましょう。
米CPIは毎月15日前後に公表され、日本のCPIはそれから若干遅れて公表されることが多いです。
米CPIの意味は、米国国内都市部の消費者の家計に余裕があるか、それとも苦しい状況にあるのかを、消費支出の増減によって探ることにあります。
米CPIが上がると、インフレが発生して家計を圧迫していることを意味し、通貨の価値が下がっています。
そうなると、FRBは政策金利の引き上げを行い、利上げによって物価上昇を抑えようとします。
2022年夏に、米CPIの対前年比が9.1%と非常に高い数値を出し、継続して利上げを行っていますが、2022年12月には対前年比6.5%と、物価上昇が緩和されつつあります。
そして、2023年1月の米CPIは対前年比6.4%の上昇で、これは予想されていた6.2%を上回る数値でした。
米国では現在、労働市場が強く、時給が高い状況で、インフレ率は引き続き高い状況となりそうです。
米CPI(消費者物価指数)の為替への影響とFXトレードへの活かし方
米CPIが為替に及ぼす影響は、世界一の経済大国のアメリカで、都市部の消費者がどれだけ消費支出を行うかを示し、それが米国株やその他の数値に変動をもたらします。
米国のインフレは深刻な状況が継続し、特にコア米CPIではその傾向が顕著です。
米CPIをFXトレードに活かすには、米CPIの予想数値を実際の数値が上回るか下回るかに注目しましょう。
インフレの状況がさらに強くなるのか、少し緩和されるのかにより、FBIの政策金利も変わってきます。
例えば2023年1月を例に取ると、米CPIが予測の対前年比6.2%よりも高い数値、6.4%だったため、政策金利がさらに高くなると考えられます。
そうすると、経済が安定していて金利の高い国は投資のリターンが高いため、米国への投資資金が流入すると考えられます。
これを、米ドルと日本円の関係で考えると、日本はゼロ金利政策が続くのに対し、アメリカでは利上げが行われるため、米ドルの方が強い、つまり米ドル高(円安)の方向に行くと予想されます。
実際には、もっと大きな流れやその他の要因により為替がどのように動くかを完全に予測するのは不可能ですが、米CPIがかなり参考になるのは、全世界のFXトレーダーが注目していることからも明らかです。
また、米CPIは、米国株だけでなく世界中の株価、先物・オプション取引、仮想通貨など様々な分野の投資に大きな影響を与えます。
FXとその他の投資との関連性もあるため、可能であれば様々な金融商品の動向も把握しながら、トレードに活かすと良いでしょう。
まとめ
米CPI(消費者物価指数)とは?発表される指標の意味と発表日、米CPI(消費者物価指数)の為替への影響とFXトレードへの活かし方
について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米CPI(消費者物価指数)は米国内の消費動向を示す指数
- 米CPIは米労働省が毎月中旬に公表し、世界中のFXトレーダーが参考にしている
- 米CPIをFXトレードに活かすには、米CPIの予想数値を実際の数値が上回るか下回るかに注目
アメリカ国内の消費者が豊かか厳しい生活かを知り、アメリカの景気を探るのが米CPIという指数です。
アメリカ経済は継続して厳しい上昇しインフレ傾向にあり、FRBによる利上げが行われていますが、毎月15日前後に公表される米CPIの数値でその動向の変化が分かり、それをFXトレードに活かすことが可能です。
まずは、米CPIの予想数値と実際の数値に注目し、FXトレードに活かしましょう。