米製造業新規受注はアメリカの製造業の生産能力がどのぐらいあるかを、製造業への調査をもとに作成される経済指標です。
アメリカの製造業の動向は、アメリカ国内の景気を判断するために注目すべきで、FXトレードへの応用も可能です。
この記事では、米製造業新規受注の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について紹介します。
米製造業新規受注の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方
- アメリカの製造業において新規受注がどのぐらいあるかを調査することにより、生産能力の動向を知ることができる指標
製造業に新規受注が多いということは、アメリカの個人消費の拡大を意味するため、アメリカの景気の判断につながります。
アメリカの個人消費は米GDPの約7割を占め、アメリカの景気だけでなく世界全体の景気の先行きを知ることが可能です。
一般に、製造業の新規受注は企業の生産活動や出荷、流通の活発化に結びつきますが、消費や経済活動の拡大、お金の動きまでには一定期間を要するため、有力な先行指標として役に立ちます。
米製造業新規受注は、米国商務省センサス局が毎月、調査対象月の翌々月の初旬に発表します。
発表される項目は、「出荷」「在庫」「新規受注」「受注残高」の4項目で、年間の出荷額が5億米ドル以上の製造業からの報告にもとづきます。
米製造業新規受注は、祝祭日や天候等のアノマリー的要因により大きく左右されるため、注意が必要です。
また、単価や受注量に振れ幅が大きいため、統計的に特に振れ幅が大きい航空機を除く「非国防資本財受注」にも注目すると、さらに正確なデータが得られます。
受注が安定していることや設備投資が拡大していることは、比較的長期にわたりその傾向が続くと考えられるため、先行指標として信頼性が高く、継続的なトレンドとして捉えることが可能です。
ただし、現在では製造業においてもグローバル化が進み、設備投資などはアジアやアフリカなどに外注しているアメリカの企業が多いことにも注意をはらう必要があります。
米製造業新規受注をFXのトレードに活かすには、数値の前月比が予想数値と結果とでどのように変化したかを見ましょう。
米製造業新規受注はアメリカの各省庁も注目し、トレーダーなど官民問わず注目しているため、その推移は経済動向の予測に広く活用されています。
米製造業新規受注は、2020年初旬からの急激な落ち込みを見せた後、少しずつ回復傾向を見せていました。
ところが、2022年に入ってからは伸び悩みを見せはじめ、2023年1月にも対前月比マイナス1.6%となりました。
航空機の新規受注が大幅に減少したことが要因ですが、景気が悪化している可能性もあるため、他の重要指標とともにチェックしていく必要があります。
米ドルは世界中の取引高の約半分を占め、基軸通貨として確立しています。
アメリカの景気が良くなると米ドルが強いと判断されるため、為替を読み解く上でとても重要です。
米製造業新規受注の数値が上がり、景気が良くなるとFRBが景気の過熱を防ごうと金利を上げる可能性があり、そのことが景気抑制の要因となることもあるため、米金利との関係も見ておくと大いに参考になります。
他国との関係も大事で、特に中国は製造業が活発化しており、アメリカとの貿易摩擦を引き起こしているため、その関係性にも目を光らせましょう。
FXの中でも、取引量の多い米ドルとの通貨ペアが多いため、アメリカの景気がFXの先行きを左右します。
その意味でも、米製造業新規受注はFXのトレードで勝つ上でとても大事な指標と言えます。
まとめ
米製造業新規受注の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米製造業新規受注は、アメリカの製造業における生産能力の動向を知ることができる指標
- 米製造業新規受注は米国商務省センサス局が毎月、調査対象月の翌々月の初旬に発表する
- アメリカの製造業に新規受注が多いと個人消費が拡大していると判断でき、それをFXトレードに活かすことが可能
米製造業新規受注は、アメリカの製造業が活発に新規受注などの生産活動や流通を行っているかを知ることができる経済指標で、景気の先行指標として注目度が高いです。
米製造業新規受注の動向からはアメリカの個人消費を知ることができ、アメリカの景気や世界全体の景気まで知る材料になります。
米製造業新規受注の予測値と結果、対前月比の比較などをFXのトレードに有効活用しましょう。