仮想通貨のトレードで利益が発生した場合、確定申告をする必要が生じます。
申告漏れがあると、重い追徴課税が課されるため、ばれないからと甘く考えず、確実に納税しましょう。
仮想通貨に関する確定申告の方法は、2017年12月1日の国税庁からの通達によりある程度決まっていますが、仮想通貨の証拠金取引(FX)の取り扱いに関して勘違いしているかたもいるのではないでしょうか?
この記事では、仮想通貨・ビットコインFXの税金の基本ルールと確定申告が必要なかた、仮想通貨・ビットコインFXの確定申告のやり方・手順について紹介します。
仮想通貨・ビットコインFXの税金の基本ルールと確定申告が必要な人
まず、 仮想通貨・ビットコインFXで確定申告が必要なかたは、1月1日から12月31日までのトレードで、給与以外の収入の合計が20万円を超えた場合などです。
仮想通貨・ビットコインFXの利益が20万円を下回る場合でも、副業や他の投資等で利益があり、その合計が20万円を超える場合は納税対象となるため、注意しましょう。
そして、仮想通貨・ビットコインFXの税金は、いずれも総合課税の雑所得として扱われます。
株式投資やFXなどの投資は、総合所得ではなく申告分離課税として扱われるため、区別して計算する必要があります。
ここで、ビットコインFXも証拠金取引なため申告分離課税になるのでは、と疑問に思われるかもしれませんが、現在の税法上ではビットコインFXは申告分離課税の対象から外されています。
仮想通貨・ビットコインFXの税金は雑所得となるため、累進課税が適用される、つまり利益が大きくなるのに比例して税率も高くなります。
税率が20%程度な上、損失を最大3年まで繰り越しできる申告分離課税と比較すると、利益を上げれば上げるほど税金が高くなる分、不利なしくみとなっています。
仮想通貨・ビットコインFXで税金を支払う義務の対象となる行為
仮想通貨・ビットコインFXで税金を支払う義務の対象となる行為は以下のとおりです。
仮想通貨の売買
仮想通貨が安いタイミングで買い、高くなったタイミングで売った場合、その差額分が納税対象です。
仮想通貨で商品を購入
現在、仮想通貨で商品やサービスを購入する機会は少ないですが、仮想通貨の価格が上がった後に商品等を購入すると、差額利益分が課税されます。
仮想通貨同士の交換
仮想通貨を取引所等で交換し、それにより利益が発生した場合は、日本円など現金に交換しなくても課税対象になるため、特に注意が必要です。
マイニングやハードフォークで仮想通貨を取得
マイニングで仮想通貨を取得した、もしくはハードフォークで分岐した仮想通貨を取得した場合、その利益分は課税されます。
ビットコインFXなど仮想通貨の証拠金取引
仮想通貨を、現物取引ではなく証拠金取引でトレードし、利益が発生した場合は、売買の差額が課税対象です。
ちなみに、2019年7月の税制改正により、仮想通貨は消費税非課税になっています。
仮想通貨・ビットコインFXの確定申告のやり方・手順
仮想通貨・ビットコインFXの確定申告は、毎年の年度末に税務署に確定申告書を提出するなどの方法で行います。
確定申告の期限は、通常は3月中旬ですが、2021年度は4月15日となるなど、年により異なります。
自営業など、もともと確定申告する必要があるかたは問題ないですが、サラリーマンなど給与所得者で年末調整により納税しているかたは、それとは別に確定申告する必要が生じます。
確定申告が初めて、または複雑なため計算方法がわからないなどのかたは、自治体ごとの確定申告相談コーナーや、税務署の無料相談などを利用できます。
もし、トレード回数がとても多くて計算しきれない、もしくは利益がとても大きくなっているなどの場合は、仮想通貨に詳しい税理士に相談する方法もあります。
より手軽に、確定申告書を自宅で作成する方法もあるため、そのやり方・手順を紹介します。
自宅の確定申告は、パソコンとプリンターがあればでき、e-Taxを利用すればスマホのみでも可能です。
まず、国税庁のWebサイトより「確定申告書作成コーナー」にアクセスします。
画面の手順に従い、個人情報や収入等を入力するだけで良いため簡単です。
仮想通貨・ビットコインFXは、「収入金額・所得金額の入力」より「雑所得」の「業務・その他」の項目から入力しましょう。
種目は「暗号資産」を選択し、収入金額と必要経費(取引手数料や購入額等)、利用する会社などの情報を入力すると、納税額が自動的に計算されます。
書類で確定申告所を提出する場合は、プリンターで出力し、必要な箇所に印鑑を押し、必要書類を添えて税務署宛に郵送もしくは持ち込みします。
マイナンバーカードおよび、マイナンバーカード対応のスマホを持っている場合は、郵送せずにe-Taxの利用で確定申告所を送信することが可能です。
マイナンバーカードを利用する準備として、専用のアプリをスマホにインストールします。
その後、上記と同様の方法で確定申告所を作成し、そのデータを送信するだけで、確定申告は完了します。
e-Taxを利用する場合は、各種証明書や取引データ等の提出を省くことができますが、これらの書類は最低5年間は保存しておく必要があるため、要注意です。
初めて仮想通貨を取得し確定申告する場合は、「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出する必要があります。
仮想通貨の評価は「総平均法」と「移動平均法」とがあり、いずれかを選択するためです。
提出しない場合、全て総平均法として取り扱われます。
まとめ
仮想通貨・ビットコインFXの税金の基本ルールと確定申告が必要なかた、仮想通貨・ビットコインFXの確定申告のやり方・手順について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 仮想通貨・ビットコインFXの確定申告は、いずれも雑所得として申告する必要がある
- 仮想通貨・ビットコインFXの確定申告が必要なかたは自営業者の他、給与所得者で給与以外の所得が年間20万円以上あるかた
- 確定申告に漏れがあると、重い追徴課税を課され、最大5年前まで遡って課税される可能性がある
仮想通貨・ビットコインFXのトレードで利益が発生した場合、税務署に対し確定申告をする義務があります。
納税義務があるのに確定申告しない場合、重い追徴課税が課される可能性があるため、漏れのないように納税しましょう。
仮想通貨・ビットコインFXはいずれも雑所得として扱われ、外国為替証拠金取引のFXとは納付方法が異なるため、区別しましょう。
仮想通貨・ビットコインFXで税金を支払う義務の対象となるのは、仮想通貨の売買の他、仮想通貨で商品を購入する、仮想通貨同士を交換する、マイニング、ハードフォークなども含まれます。
確定申告はe-Taxを利用するとスマホのみで完結しますが、マイナンバーカードの取得などが必要です。
他にも、パソコンとプリンターで確定申告書を作成し郵送・手渡しする方法や、確定申告相談コーナーを利用する方法などもあります。