「出来高」とは、一定期間内に取引された金融商品の量を指します。
Trading Viewには、価格帯別の出来高を表示するインジケーターが内蔵されていますが、有料プランでないと使うことができません。
この記事では、Trading Viewの出来高表示方法と設定の仕方、Trading Viewの出来高活用方法と売買への活かし方を紹介します。
Trading Viewの出来高表示方法と設定の仕方
Trading Viewで有料のプランにアップグレードすると、価格帯別の出来高を表示する「出来高プロファイル」というインジケーターを使うことが可能になります。
時間帯別の横軸で表示される縦棒グラフと異なり、出来高プロファイルは縦軸に表示される横棒グラフです。
出来高のデータは、各証券会社から提供される出来高データを集計したものです。
出来高のグラフが長いほど、より多くの売買が行われた、つまり人気がある価格帯であることを意味します。
売買でより意識されている価格を知ることができるため、トレード初心者でも使いやすいのが特徴です。
売りの比率と買いの比率が色分けされているため、それをまねしても良いですし、あえて逆張りで大きな利益を狙うことも可能です。
出来高プロファイルを表示するには有料プランに加入する必要があるため、無料プランのBASICのかたは、PRO以上の有料プランに加入しましょう。
30日無料体験を利用すれば、課金されることなく出来高プロファイルを利用できます。
チャートを表示させ、チャート上部の「~」のアイコンをクリックすると、インジケーターの一覧に出来高プロファイルが表示され、さらに表示される出来高の範囲によって4種類の出来高プロファイルから選択します。
初めて出来高プロファイルを利用するかたは、設定が簡単な「可視範囲出来高」がおすすめです。
表示された出来高プロファイルは、設定による変更が可能です。
変更は、出来高プロファイルを右クリックもしくはダブルクリックし、表示されるポップウィンドウより行います。
可視範囲出来高では、配列とラインの指定値を変更することにより、一本の軸あたりの値幅を変えることができます。
デフォルトでは売買の比率が色分けされていますが、シンプルに売買を区別しない単色で表示する設定も可能です。
また、右端に表示されるグラフを左端に移動させることもできるため、見やすさや値動きの状況などで使い分けましょう。
「固定期間出来高」を利用する場合は、出来高のもととなる期間を、描画ツールと同様の方法で始点と終点を指定します。
その他の設定方法は、可視範囲出来高と同様です。
Trading Viewの出来高活用方法と売買への活かし方
Trading Viewには4種類の出来高プロファイルがあり、それぞれに特徴があるため、使い分けて売買に活かしましょう。
可視範囲出来高は画面上のチャートに表示されている(可視できる)出来高で、出来高プロファイルに慣れるまでは、これを使いこなすのがおすすめです。
直感的に注目されている価格を把握したい場合や、他のインジケーターと併用するなどの理由でできるだけ画面をシンプルにしたい場合に適しています。
ある程度慣れてくると、固定期間出来高が便利です。
価格と期間を自由に設定でき、より精密な分析に適した出来高プロファイルです。
あまり参考にならないような極端な値動きをした期間を範囲から外したり、金融イベントの開始から終了までを分析したりなど、多角的な分析が可能なため、上級者にも人気があります。
範囲指定の基準がわからないとあまり効果を発揮せず、スマホなど画面が小さい端末の場合にはチャート上で期間を設定しにくいのが難点です。
「セッション出来高」は、1日ごとの出来高を表示します。
例えば、1時間足のチャートでセッション出来高を表示すると、24本のローソク足ごとに区切られた出来高となります。
1日の区切りがブルーのボックスで区切られ、その範囲内における出来高が左端に表示されます。
1日ごとに注目される価格を探るのに便利ですが、画面に複数の横棒グラフが表示されるため、慣れないとかえってわかりづらいかもしれません。
また、設定の方法も複雑です。
「セッション出来高HD」は、2020年2月29日にTrading Viewに新しくリリースしたインジケーターです。
セッション出来高との違いは、より細かい価格帯の出来高を表示できることです。
横軸の期間の幅を変更するだけで、その変化に対応した価格帯が自動的に調整された出来高が表示されます。
とても細かい分析が可能ですが、かなりトレードに精通したかたでないと、メリットを十分にいかせないだけでなく、かえってトレードの妨げになる可能性があります。
セッション出来高HDの表示は、セッション出来高とほぼ同様で、ブルーの範囲で区切られ、横軸は左端です。
出来高が多いと、その付近で売買の攻防が激しいことを意味します。
そして、その付近でサポートラインやレジスタンスラインを形成することがよくあります。
エントリーや決済ポイントの参考にするだけでなく、指値や逆指値の設定にも活かすことが可能です。
例えば、買いでエントリーした後、出来高で売りが多い価格帯の少し手前に指値を入れておくと、高い確率で約定できます。
デフォルトでは、24分割で出来高が表示されていますが、数字による分割ではなく1本の軸当たりの値幅を固定されるように設定することもできます。
そうすると、単位がTicks(0.1pips)となり、スキャルピングなどでリアルタイムの値動きを知りたいかたにとって便利です。
まとめ
Trading Viewの出来高表示方法と設定の仕方、Trading Viewの出来高活用方法と売買への活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- Trading Viewに内蔵されている価格帯別の出来高プロファイルは、有料プランのみ利用可能
- Trading Viewには4種類の出来高プロファイルがある
- 慣れないうちは、可視範囲出来高の利用がおすすめ
Trading Viewで有料のプランにアップグレードすると、4種類の出来高プロファイルを使うことが可能になります。
それぞれに特徴がありますが、画面の見やすさや、設定の方法が簡単なことなどから、最初は可視範囲出来高の利用がおすすめです。
その他の出来高プロファイルも含め、チャート上から簡単に表示させることが可能です。
可視範囲出来高で、取引が活発な時間帯の把握ができるようになれば、範囲を指定してより細かい分析が可能となる、固定期間出来高を利用しても良いでしょう。
他にも、1日ごとの区切りで出来高を表示するセッション出来高、セッション出来高をさらに細かく範囲指定できるようになったセッションHDがあります。
トレードスタイルや他のインジケーターとの兼ね合い、端末の画面の大きさなどにより、使い分けましょう。