米国連邦公開市場委員会(以下、FOMC)は、米国の中央銀行に該当するFRBが開く会合で、米国の公開市場操作の方針を決定します。
FOMCは、米国の金融政策を占う上でとても重要で、市場関係者の関心も高いです。
その理由は、FOMCの方針によって日本を含む全世界の金融市場に大きな影響を与えるためです。
この記事では、2024年のFOMC開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて紹介します。
2024年のFOMC開催時期(スケジュール)と注目ポイント
FOMCは、約6週間おきに年8回、定期的に開催されます。
2024年のFOMC開催時期(スケジュール)は、1月30日~31日・3月19日~20日・4月30日~5月1日・6月11日~12日・7月30日~31日・9月17日~18日・11月6日~7日・12月17日~18日です。
2023年のFOMCは、米景気の好調に伴い、年初から利上げではじまりました。
その後も利上げは続き、パウエル議長も利上げ終了の名言をしないまま、1月・3月・5月・6月・7月まで継続しました。
2023年7月時点でのフェデラルファンド金利の誘導目標は5.25~5.50%で、約22年ぶりの高さとなっています。
その後、9月・10月・12月のFOMCでは3会合連続で政策金利は据え置きとなっています。
景気やインフレ率が鈍化したとの見方から、現在の政策金利米国の金融環境が引き締まったとの見方ができます。
2023年のFOMCの動きや声明をふまえ、2024年のFOMCはしばらくの間は政策金利の据え置きが続き、5月もしくは6月あたりから利下げが2~3回程度実施されると考えられます。
米国経済は、AI関連産業を中心に好景気が続いていますが、物価の高騰や失業率の上昇もあり、2024年は景気の減速が懸念されています。
そんな中で、インフレを2%まで抑制したい思惑と、景気を刺激するために政策金利の引き下げを急ぎたい思惑とがぶつかっています。
中国やインド、ASEAN諸国など他の成長国との兼ね合いもあり、利下げが予想よりも早いタイミングで行われる可能性もあります。
また、現在の米国の景気を支えているのが、いわゆる「コロナ給付金」によるものであることも、注目ポイントです。
つまり、米国の消費を支える給付金が底をつくと経済が鈍化するということを意味します。
現実には、クレジットカードでの決済が増えており、それが消費を補っていますが、クレジットカードの延滞率が12年ぶりの高水準になっていることから、低所得者層から順に経済が破綻していく可能性もあります。
2023年末には、PCやスマホ・玩具など一部で値下げもはじまっており、デフレ傾向にあるとの見方もあります。
そういった事情にも注目しながら、年8回のFOMCの動きに注目していくことが大事となるでしょう。
まとめ
2024年のFOMC開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- FOMCは米国の中央銀行に該当するFRBが開く会合で、米国の公開市場操作の方針を決定する
- 2024年のFOMCは政策金利の据え置きからはじまると予想されるが、どのタイミングで利下げが行われるかに注目が集まる
- FOMCは米国のみではなく、世界経済全体に影響を及ぼす
FOMCは年8回実施されますが、2024年は前年の継続で政策金利の据え置きが予想され、その後利下げに転ずるタイミングがいつになるのか、投資家や市場関係者の注目が集まります。
米国の景気を支えていた個人消費がやや鈍化傾向にあるなど、米国経済の先行きに不安を残すこともあるため、2024年はますますFOMCの発表に注目し、投資に生かすべきでしょう。