ECBとは欧州中央銀行を指す言葉で、ユーロ通貨圏にある20カ国の金融政策を統一的に行う機関です。
ユーロ通貨圏の各国の中央銀行に代わってECBの政策理事会が金融政策を実施し、欧州全体の景気の動向がわかるため、ECBの政策理事会終了後の記者会見は世界的に注目されます。
この記事では、2024年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて紹介します。
2024年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイント
ECBは、約6週間おきに年8回、定期的に開催されます。
2024年のECB開催時期(スケジュール)は、1月25日・3月7日・4月11日・6月6日・7月18日・9月12日・10月17日・12月12日です。
ECBで特に注目されるのは政策金利の発表で、2022年7月から2023年9月に至るまで、10会合連続で利上げを行ってきました。
ただし、2023年9月の声明では利上げ停止の可能性も指摘されていました。
そして、2023年10月のECBでは、政策金利の据え置きを発表し、12月も同様の措置をとりました。
その理由として、インフレ率が鈍化傾向にあることや、政策金利の一つ預金ファシリティ金利が過去最高水準の4.0%に達していることなどがあげられます。
この流れを受けて、2024年の比較的早い段階で利下げが敢行されるとの見方があります。
欧州経済は、戦争の影響や原油高などエネルギーコストの増大、穀物など生活コストの増加、輸出の低迷、失業率の増加傾向などがあり、現在の高金利を見直す必要に迫られています。
また、欧州各国では化石燃料の段階的な削減や再生可能エネルギーへの取り組みを強化していることも、影響してきます。
経済の発展と環境問題とのバランス、さらには戦争の火種を抱えていることなどから、ECBの発表は欧州だけでなく世界の先行きを示すものとなります。
さらに、2024年は、EUの政権交代が進む年としても注目が集まります。
6月6日~9日にかけては、欧州議会選挙があります。
10月末には欧州委員会、11月末にはシャルル・ミシェル常任議長が任期を終えます。
環境問題、戦争への対処などの方針が、トップの交代で大きく変わってくる可能性もあるため、注意が必要です。
ユーロ圏ではないですが、英国でも2024年に総選挙が行われるとみられており、保守党から労働党への政権交代があるならば、欧州全体の金融市場への影響があるとも考えられます。
2024年は、年初から緩やかな景気回復が見込まれ、予想では6月のECBで利下げが行われる見通しです。
まとめ
2024年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- ECBは約6週間おきに年8回開催される
- 2024年のECBは利下げがどのタイミングで行われるかに注目が集まる
- 欧州の景気や戦争の影響、環境問題への取り組みなどがECBの判断材料になる
ECBは欧州中央銀行の略語で、欧州のユーロ通貨圏諸国の金融政策を担う機関のため、欧州経済全体の動向を占う上で注目が集まります。
年8回実施されるECBで、2024年は政策金利が下げられる見込みがあり、どのタイミングで利下げが実施されるかは大きな注目ポイントです。