様々なチャートパターンの中でも、比較的頻繁に出現しながらも、トレードに活かすことが難しいのが、スパイクトップ・スパイクボトムです。
大きく稼ぐチャンスであると同時に、大きな損失を被る可能性も高く、FX初心者にはハイリスクハイリターンなためです。
この記事では、スパイクトップ・スパイクボトムの意味とトレードへの活かし方を紹介します。
スパイクトップ・スパイクボトムの意味とトレードへの活かし方
スパイクトップ・スパイクボトムは、チャート上に「V」の字をつくるため、Vトップ・Vボトムと呼ばれることもあります。
先のとがった形状のローソク足や、長いひげをつくるのが特徴で、スパイクトップは価格の急上昇から急下落、スパイクトップは価格の急下落から急上昇した時に出現します。
スパイクトップ・スパイクボトムは、重要指標発表時や要人発言、戦争やテロ、米大統領選挙やブレグジットなどの投票、その他の地政学的要因で相場に大きく影響を及ぼす際に、よく見受けられます。
長期足ではあまりありませんが、リーマンショックやスイスフランショックなど、重大な事件の時には、世界に大きな影響を及ぼします。
スイスフランショックを例にとると、2015年1月15日にスイス国立銀行理事会において、対ユーロのスイスフランの上限を廃止したことから、わずか数分でユーロがフランに対して暴落しました。
その後、高騰していたスイスフランも落ち着きを取り戻しましたが、スイスの輸出業者や観光業者は大打撃を受け、回復まで2~3年かかっています。
スイスフランショックの例からもわかるとおり、スパイクトップ・スパイクボトムは、多くのトレーダーがパニックに陥るレベルの出来事が起こった際に、現れやすいです。
つまり、急激に上昇または下落した価格に対してトレーダーの不安が募り、高値圏で一斉に売りまたは買いが入るため、チャートが急反転する結果となります。
トレンドに乗ってエントリーしたトレーダーが、高値づかみで損失を被ることも少なくありません。
スパイクトップ・スパイクボトムにリスクが高い原因は、価格がトレンドに乗っている場合や安定している場合、相場に急激な変動があってもまたすぐにもどるだろう、というトレーダーの心理が働くためです。
上昇トレンドに乗っている場合だと、いったん価格が下落しても、また上昇を続けるなどの現象が起き、ダブルトップや三尊天井などを形成した後に下落するパターンも考えられます。
ところが、スパイクトップでは上昇し続けると思って油断していると一気に急落してしまい、利確が遅れたり高値でエントリーしたりなど、損失につながる可能性も生じます。
また、安定したレンジ相場から、急に価格が上昇したため上昇トレンドが発生したと思ったら、急に反落することもあり、だましが非常に多いチャートパターンです。
スパイクトップ・スパイクボトムを発見するには、トレンドラインから乖離しているか否かを見極めることが重要です。
まず、基本となるトレンドラインをチャート上に引き、そのトレンドラインから乖離した値動きを見せた後、トレンドラインに戻り、さらにトレンドが転換する動きを見せているかを見ましょう。
スパイクトップ・スパイクボトムをトレードに活かすには、押し目買いや戻り売りを最大限活用するのがおすすめです。
押し目や戻りがない場合は、エントリーせずに見送ると、リスクを避けることができます。
急騰や急落をしている最中にエントリーしたくなる気持ちを抑え、落ち着きを見せたタイミングでスパイクトップの場合は戻り売り、スパイクボトムの場合は押し目買いでエントリーしましょう。
スキャルピングでスパイクトップ・スパイクボトムを活かしたトレードを行う場合は、相当のリスクを抱えることになるため、上級者向けのトレードとなります。
重要指標発表時などにおいては、スプレッドが広くなる可能性が高いため、その分のコストも考慮し、また損切ラインも明確にしておかないと、一気に損失が膨らむ結果となりかねません。
ハイレバレッジでトレードすると、さらに危険性が高くなるため、FX初心者にはおすすめできません。
取引量が少なく、ボラティリティの激しい新興国の通貨ペアの場合、スパイクトップやスパイクボトムが発生しやすいこともありますが、こちらもリスクが大きくなります。
まとめ
スパイクトップ・スパイクボトムの意味とトレードへの活かし方法について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- スパイクトップ・スパイクボトムは価格の急反転の際に見られるチャートパターン
- スパイクトップ・スパイクボトムを活かすトレードはリスクが高くなる
- スキャルピングでスパイクトップ・スパイクボトムをねらうトレードは上級者向け
スパイクトップ・スパイクボトムは、トレンドラインから外れるほどの急上昇や急下落が起こった際、チャートが「V」の字を形成するチャートパターンを指します。
スパイクトップ・スパイクボトムはチャート上に良く現れますが、だましが多く、トレードに活かすにはリスクも伴います。
押し目買いや戻り売りをねらうトレード方法が、リスクを抑えることができ、おすすめです。
自信がない場合には、エントリーを見送りましょう。