アメリカ国内における国民の個人消費は、世界全体の景気にも影響を及ぼすほど大きく、FXトレーダーなら注目すべきです。
そのアメリカ国内の個人消費を探るには、米小売売上高に注目するのが最適です。
この記事では、米小売売上高とは?発表される指標の意味と発表日、米小売売上高の為替への影響とFXトレードへの活かし方について説明します。
米小売売上高とは?発表される指標の意味と発表日
- 米国商務省経済分析局(BEA)が毎月調査する経済指標で、小売業・サービス業約5,000社をアンケート対象とし、売上高を集計したもの
米小売売上高の発表日は毎月15日前後で、日本時間では深夜の時間帯になります。
アメリカは、GDPの約70%を個人消費が占めており、これは先進国中でも際立って高い割合のため、米国経済の動向に加え、全世界の景気をも把握する役に立ちます。
米小売売上高は、百貨店やスーパー・コンビニ・その他の小売業やサービス業が対象となり、消費者が商品の購入やサービスに対し支払った対価にどのぐらいの金銭を支払ったかを示します。
米小売売上高の意味は、アメリカ国内における個人消費のトレンドを把握するのに役立ち、それがアメリカ、さらには世界全体の景気の良し悪しを予想するのに役立ちます。
注意点として、天候や季節、その他のアノマリー的要因が関り、景気を直接反映しているとは限らないため、気をつけましょう。
米小売売上高の為替への影響とFXトレードへの活かし方
米小売売上高は、前月比で増加すると個人消費は堅調と判断され、逆に減少すると個人消費が落ち込んでいると判断されるため、そのことをFXのトレードに活かすことが可能です。
個人消費が堅調だと株価が上がり、落ち込むと株価が下がり、それが金利や為替にまで影響を及ぼします。
株価が上がると、景気の過熱を防ぐためにFRBは金利を上げて抑制の動きになります。
また、米株価の上昇はアメリカの景気の良さを示すため、為替において米ドルが強くなるため、FXトレードの参考になります。
小売売上高は、アメリカだけでなく日本やその他の各国で発表されるため、それらを比較して為替の動きを読む役に立てましょう。
中でも注目度が高いのが1月に発表される米小売売上高で、これは前年末のクリスマス商戦が絡んでいるためです。
その他の時期においても、アノマリー的な要因で個人消費は大きく動くことがあります。
米小売売上高をFXに活用するには、事前に発表される市場予想を上回るか下回るかが大事な要素になります。
例えば、2023年2月15日に発表された1月の米小売売上高は、前月比が3.0%増の6,970億米ドルとなり、これは市場予想2.0%を上回る数値となりました。
さらに、これが3か月ぶりの増加となったため、アメリカの個人消費が予想を上回る好調となっていることを示唆します。
金利の利上げや物価上昇が続くアメリカで、このように個人消費が上昇している背景には、雇用や生活基盤の安定を意味していると考えられ、為替においても他国に対し優位、つまり米ドルが強いと判断することができます。
まとめ
米小売売上高とは?発表される指標の意味と発表日、米小売売上高の為替への影響とFXトレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米小売売上高はアメリカ国内の個人消費を示す経済指標で、米国国内だけでなく世界全体の景気を左右する
- アメリカの個人消費が堅調だと株価が上がり、落ち込むと株価が下がる
- 米小売売上高が高いと米ドルが他の通貨に対して優位に立つことが多く、それをFXに活用することが可能
アメリカの個人消費はGDPの約70%を占め、非常に大きな割合のため、アメリカの景気を左右し、さらには世界全体の景気にも影響を与えます。
そのため、アメリカ国内の個人消費を示す米小売売上高は、とても大事な経済指標となります。
米小売売上高は米国商務省経済分析局(BEA)が毎月15日前後に発表し、個人消費のトレンドから景気の動向を知ることができますが、天候や季節などの状況に影響を受けやすいため、注意が必要です。
事前に発表される米小売売上高の予測と実際の数値を比較し、アメリカの経済が好調かどうか、米ドルが強いかどうかを判断してFXのトレードに有効活用しましょう。