FXトレードをする上で、チャートの値動きを分析することはもちろん大事ですが、それと同様に様々な経済指標が為替に及ぼす影響を把握することも、FXで安定して勝つためには重要です。
数ある経済指標の中でも、世界経済の中心的存在のアメリカ国内で生み出した生産物やサービスの付加価値を示す米GDPは、特に重要です。
この記事では、米GDPとは？発表される指標の意味と発表日、米GDPの為替への影響とFXトレードへの活かし方について説明します。
米GDPとは？発表される指標の意味と発表日
GDPは「Gross Domestic Product」の略で、日本語に訳すと「国内総生産」です。
過去にはGNP（国民総生産）が用いられていた時期もありましたが、GNPは海外支店等の所得も含むため、現在では純粋に国内で生産された物やサービスを対象としたGDPの方が、より景気を正確に反映するという理由で用いられています。
米GDPは、米国商務省経済分析局（BEA）が、四半期ごとに発表します。
米GDPの発表時期は、速報値が1・4・7・10月、改定値が2・5・8・11月、確定値が3・6・9・12月となっています。
発表時間は日本時間の深夜になるため、注意しましょう。
直近では、2023年1月26日に2022年第四四半期の速報値が発表されました。
米GDPの意味は、アメリカ国内において一定期間内に国内の経済活動の結果として生産された商品やサービスの付加価値を合計した金額です。
付加価値とは、商品やサービスの販売価格から、原材料や中間投入額等を引いて残った金額を意味します。
米GDPの伸びは、直接的にはアメリカ国内の経済成長率を示しますが、それだけでなく、グローバル化により日本を含めた全世界の経済情勢にまで影響を与えます。
米GDPは消費・投資・輸出・政府支出などで構成され、その中でも消費は米GDP全体の約3分の2を占めるため、特に重要です。
米GDPには、名目GDPと実質GDPの2種類があり、実質GDPは名目GDPから物価変動の影響を除いた金額です。
米GDPはここ数十年で毎年伸び続けており、米国内で様々な業種の付加価値が平均して伸び続けていることを意味します。
GDPが下がると景気が悪くなることを意味し、日本のGDPはここ数年伸び悩んでいるため、米GDPとの比較などをFX会社トレードに活かすことが可能です。
米GDPの為替への影響とFXトレードへの活かし方
米GDPには速報値・改定値・確定値がありますが、この中で最も為替に影響を及ぼしやすいのは速報値です。
そのため、為替レートが大きく動くタイミングにFXトレードで大きく稼ぎたいかたは、速報値を受けてのチャートの値動きに注目しましょう。
さらに速報性を高めたいかたは、アトランタ連銀が発表する「GDP Now」などのレポートを参考にすると、他のトレーダーよりもいち早く米GDPの動向を把握できます。
米GDPは事前の市場予測と、実際の結果の差が、為替に大きな影響を及ぼします。
例えば、2023年1月26日に発表された2022年第四四半期の米GDP速報値は、市場予測が前期比2.6％増でしたが、実際には堅調な個人消費などの理由により2.9％と、市場予測よりも上回りました。
FRBによる金利上昇が続く中、やや予想外の向上で、米国の景気の底堅さから米ドル高になるとの予測が立ちます。
ただし、2022年末にかけて米GDPの伸び幅が縮小しているのも事実で、高い時給や貯蓄の多さに支えられている側面もあります。
特に、在庫・政府支出・貿易を除いた民間国内最終消費はわずか0.2％の増加にとどまり、これはここ2年で最小の伸び幅でした。
これを見る限り、アメリカ経済は2023年から大きく景気が傾いていくリスクがあり、米ドルの価値が低くなると為替にも大きなインパクトを与えます。
より細かく米GDPを分析してFXトレードに役立てるには、米GDPに影響を与えるその他の経済指標にも注目しましょう。
特に企業活動の動向は、米株価に大きく関わり、FXトレードにも影響が大きいです。
米耐久財受注・米鉱工業生産・米設備稼働率・米住宅着工件数・米製造業受注・米建設支出などがFXトレーダーには関わりが深いです。
米GDPをFXで活かす場合、トレードする通貨ペアの国の情報も同様にチェックすると、より勝率が高まります。
米ドル円の通貨ペアは日本人が最も多く利用しますが、日本円と米ドル以外の通貨ペア、米ドルとユーロやポンドなどの通貨ペアでトレードする場合は、世界各国の経済情勢にも注意をはらうべきです。
まとめ
米GDPとは？発表される指標の意味と発表日、米GDPの為替への影響とFXトレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米GDPとはアメリカの国内総生産で、アメリカ国内で生産された商品やサービスの付加価値を意味する
- 米GDPは速報値・改定値・確定値がそれぞれ年4回発表される
- 米GDPからアメリカの景気動向が分かるため、FXトレードに活かすことが可能
世界経済の中心、アメリカ国内で生み出した生産物やサービスの付加価値を示す米GDPは、為替に大きな影響を与えるため、FXトレードに有効に活かすことが可能です。
米GDPは、速報値が1・4・7・10月、改定値が2・5・8・11月、確定値が3・6・9・12月に発表され、その中でも速報値の発表で為替が大きく動く傾向にあります。
米GDPの予測値と、実際の数値の差で為替が大きく動くため、早めに米GDPの情報を得て、FXトレードに活かしましょう。
