FXには、テクニカル指標やファンダメンタル、その他の投資理論とは別に、「アノマリー」と呼ばれる説明は難しいものの高確率で為替相場に影響する現象(季節的要因)が存在します。
そのため、為替相場の方向性が見えない、予想とは違う動きをする時こそ、アノマリーを参考としてFXのトレードを行うのが有効となります。
この記事では、FX(為替)の2月のアノマリーと相場傾向、狙い目の通貨ペアについて説明します。
FX(為替)の2月のアノマリーと相場傾向、狙い目の通貨ペア
2月は、もともとアノマリーが出にくい時期と言われます。
その理由は、グローバルな巨大企業の決算時期や夏休みなどのバカンス期間、クリスマスなどの需要拡大といった他の月のような大きな為替変動の要因がないためです。
年末年始を挟み、12月は為替相場が荒れやすく、1月は年初ということで年間のアノマリーの基準となりますが、2月は1月の調整期間となりやすく、明確なアノマリーはあまりないと言って良いでしょう。
とはいえ、2月でもゴトー日、つまり毎月5日と10日など5と0がつく日は円安になりやすく、この動きを利用した「仲根トレード」は有効です。
また、新月や満月、水星逆行など少し占いの要素を含むアノマリーも参考にするトレーダーもいます。
さらに、毎月のこととして雇用統計やFORCの政策金利発表、消費者物価指数などの重大発表はFXに大きな影響を与えることが知られています。
アノマリーのみを根拠にトレードをするFXトレーダーは少なく、ほとんどがテクニカル指標やファンダメンタルの要因にアノマリーが重なった場合に強気にトレード、反対のアノマリーが出た場合には少し慎重にトレードするといった程度です。
それらをふまえ、2024年2月のアノマリーを元に狙い目の通貨ペアを考察します。
まず2月の初旬ですが、過去20年において2月1日の陽線が現れる確率がポンド円・豪ドル円・ニュージーランド円で80%を超えています。
2023年末から円安傾向であることと合わせて考えると、2月初旬は円安になりやすく、ポンド円・豪ドル円・ニュージーランド円は特に狙い目と言えそうです。
同様に、過去20年の2月において、豪ドル米ドルのペアが月間で15回の陽線、ユーロスイスフランのペアで15回の陰線となっており、こちらも参考として使えそうです。
また、2月は米国債の大量償還の影響で円安になりやすいというアノマリーがあります。
過去、このアノマリーの信用度は高くありませんが、2024年はアメリカやEUなどで長期間続いた政策金利の利上げから利下げに転換する可能性が高いことや、ニューヨークダウなどが高値を更新し続けていることなどから、円安に移行する可能性は例年以上に高まっています。
とはいえ、例えば米ドル円で一時は150円となる円高でしたが、150円付近が抵抗線となって円安に戻ったように、2024年1月に円高傾向にあるため「2月は1月の調整期間となりやすい」のアノマリーが働いてその反動で円安になってもおかしくありません。
2024年は、4月の米大統領選を控えており、予備選挙などがある3月にニューヨークダウが陽線になりやすいというアノマリーがありますが、2月にはそのような傾向は見られないため、2月は様子見で3月に本格的にトレードをする作戦もあります。
原油や金属など、原材料の価格が高騰すると円安となる可能性が高く、長引くウクライナや中東での戦争、能登沖の震災などの影響で2月も円安が継続する可能性にも注目しましょう。
2024年1月時点では、米ドル円やユーロ円・ポンド円など主要通貨ペアで円高となっており、特に豪ドル円・ニュージーランド円は移動平均線に支えられて上昇のトレンドが出ています。
2024年2月は、資源国であることも考えて豪ドル円・ニュージーランド円の買いが狙い目となります。
まとめ
FX(為替)の2月のアノマリーと相場傾向、狙い目の通貨ペアについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 2月はアノマリーが出にくく、為替相場に大きな影響を与える可能性は少ない
- アノマリーは、テクニカル指標やファンダメンタルなどと併用して使うこと
- 2024年2月のアノマリーにもとづく狙い目の通貨ペアは、豪ドル円とニュージーランド円
FXにおいて、アノマリーはテクニカル指標やファンダメンタルほどは注目されませんが、多くのFXトレーダーがアノマリーを参考にしています。
2月はアノマリーが出にくいですが、戦争などの世界情勢、過去の為替相場の動き、統計的に陽線・陰線のどちらになりやすいかなどをふまえ、予測することは可能です。
2024年2月は円安になる可能性が高く、特に豪ドル円・ニュージーランド円の通貨ペアは狙い目です。