米対米証券投資は、世界一の経済大国アメリカに対し、どれだけの資金の流出入があるかを知るための大事な経済指標で、FXトレーダーからの注目度が非常に高いです。
アメリカに対する資金の流出入は、世界全体の貿易収支を探る上でもとても役立ちます。
この記事では、米対米証券投資の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について紹介します。
米対米証券投資の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方
アメリカ国内では、米国株式、米国債、政府機関債などの証券が発行されており、それらの証券がアメリカ国外でどのぐらい人気があるかは、米証券が投資として魅力的かどうかを知ることができ、為替にも影響があります。
アメリカへの資金の流入、またはアメリカからの資金の流出を集計したものが、米対米証券投資です。
米対米証券投資は、米財務省が毎月中旬に2か月前の集計値を発表します。
米財務省が集計する対象データは、アメリカの銀行・貯蓄金融機関・カストディアンなどです。
これらのデータ量は膨大で多岐にわたり、さらに集計された数値の発表が2か月後になっていることから、速報値としてはあまり役に立ちません。
米対米証券投資を単純に資金の流出入でなく、アメリカの貿易収支の状況を分析することにより、FXに役立てることができます。
米対米証券投資は、特に経常収支と比較されます。
アメリカは、長年にわたり貿易収支がマイナスとなっており、その貿易赤字が改善しているか、それとも悪化しているかを見ていきます。
経常収支の赤字により流出する資金よりも米対米証券投資の金額の方が大きい場合には、アメリカへの投資意欲が高まっていることにより貿易赤字が改善の方向にあると判断でき、ドルが高くなる傾向にあります。
さらに、ドル高だけでなく米株価や米債券も高くなると、さらにアメリカの財政が健全で政府の政策も信頼できると考えられます。
また、事前に発表される予測値との比較で米対米証券投資が高かった場合も、米ドルは買われやすくなります。
米対米証券投資は速報性が低いため為替や株式市場に大きなインパクトを残すことは少ないですが、経済大国アメリカの経済状況が正常化かどうかを高い精度で知ることができる数値のため、FXで中長期的なトレンドを探るなどに役立ちます。
この数値は国別でも発表されるため、FXの通貨ペアごとに貿易収支の傾向を探るのもおすすめです。
アメリカは世界各国と戦争や貿易摩擦を起こすことが多く、そのような国際情勢の影響や個人消費が膨大なことなどが貿易赤字へとつながっていますが、それを穴埋めする数値としても米対米証券投資は大きく注目されています。
まとめ
米対米証券投資の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米対米証券投資とはアメリカ国外からアメリカに対する投資を示す経済指標
- 米財務省が2か月後に発表するため速報性が低い
- 経常収支との比較などによりFXのトレードに活かすことが可能
米対米証券投資は米財務省が毎月中旬に発表する数値で、米証券が国外にどれだけ買われているかから米証券の魅力、さらには資金の流出入を知ることができる経済指標です。
速報性は低いですが、アメリカの貿易赤字が改善されているかどうかを探る上でとても大事な指標で、経常収支との比較などによりFXトレードに活かすことができます。