アメリカのコンファレンス・ボードが発表する様々な指数は、高い信頼性があり、マーケットに大きな影響を与えます。
コンファレンス・ボードが発表する指数の一つが遅行指数と呼ばれ、うまくFXトレードに活用できれば勝率が高まります。
この記事では、米景気に遅行する遅行指数の一覧とFXトレードへの活かし方について紹介します。
米景気に遅行する遅行指数の一覧とFXトレードへの活かし方
アメリカの景気を探る上で参考になる指数は、先行指数・一致指数・遅行指数の3種類があります。
景気を予測するのに役立つのが先行指数、現状の景気とほぼ連動した動きが把握できる一致指数であるのに対し、遅行指数は景気の動きに遅れて動くという特徴があります。
米景気に遅行する遅行指数は、景気の動向の結果として表れるため、景気の動向に遅れて出てくるという流れとなります。
米景気に遅行する遅行指数は完全失業率・製造業及び商業の対売上高在庫比率・製造業の単位当り労働コスト・プライムレート・商工業貸付残高消費者信用対個人所得比率・サービス業の消費者物価指数です。
この中で、特にFXトレードに役立つのは、完全失業率と消費者物価指数です。
完全失業率は、15歳以上で働く意欲のある労働力人口の中に占める完全失業者の割合です。
景気が悪化すると、その結果として完全失業者が増加するため、遅行指数となります。
消費者物価指数も同様に、景気の悪化に伴い消費が低迷するため、企業が物価を下げるという結果を示す遅行指数です。
遅行指数は、実際の景気の動向から数か月~半年程度遅行するため、先行指数や一致指数と比較すると、FXへの活用が難しいと感じるかもしれません。
とはいえ、先行指数があくまで予測であること、一致指数もリアルタイム性はあるものの、実際の米景気を反映した数値という点で、遅行指数はより正確です。
そして、この遅行指数は、景気の回復もしくは後退の転換点の判断材料として非常に有用です。
遅行指数を、先行指数や一致指数と比較することにより、景気の転換点を探ることができます。
米国の景気は、FRBによる金融政策により左右されますが、そのFRBが景気の見通しとしてよりどころとしているのが、景気指数です。
例えば、遅行指数が悪化しはじめた場合、米景気が後退していると判断できますが、そのタイミングで先行指数が改善されていると米景気が回復に向かっていると判断できます。
すると、米ドルが強くなるとの予測が立ち、米ドルの通貨ペアでトレードする際に、米ドル高に向かうとの戦略を立てると良いでしょう。
まとめ
米景気に遅行する遅行指数の一覧とFXトレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 遅行指数は景気の動きに遅れて動く景気指数
- 米景気に遅行する遅行指数のうち、FXトレードに特に役立つのは完全失業率と消費者物価指数
- 遅行指数を先行指数や一致指数と比較することにより、景気の回復もしくは後退の転換点の判断材料とすることが可能
米景気に遅行する遅行指数は、実際のアメリカの景気の動向から数か月から半年程度遅行する景気指数で、完全失業率と消費者物価指数が有名です。
遅行指数は、先行指数や一致指数と比較することでアメリカの景気が回復に向かっているか、それとも後退しているかの判断材料となり、FXトレードの方針を決めるのに役立ちます。