世界中のFXトレーダーが最も多く利用している取引プラットフォームは、MT4です。
しかし、クラウド型で利用できる新しい取引プラットフォーム、Trading ViewがMT4の人気を脅かしつつあります。
この記事では、Trading ViewとMT4の違いおよび、メリットとデメリットの比較をしていきます。
Trading ViewとMT4の違いとメリット、デメリットの比較
インストールの必要性
MT4は、パソコンまたはスマホにインストールする必要があります。
それに対し、Trading ViewはWebブラウザ上で動作するため、インストール不要です。
自宅のパソコンのみでトレードする場合などであれば、MT4で問題ありませんが、Trading Viewは端末やOSを問わず利用でき、場所にもしばられないため、Webブラウザと通信環境さえ整っていればいつでも誰でも利用できるメリットがあります。
万が一、パソコンが故障してしまった場合でもTrading Viewは影響を受けませんが、MT4はデータ破損のリスクというデメリットがあります。
また、MT4はWindows向けに開発されているため、Macユーザーが利用する場合はエミュレーターを使う必要があり、インストール方法が少々面倒です。
口座開設の手間
Trading Viewは、メールアドレスの登録のみですぐに利用開始できる手軽さがメリットです。
無料ですぐに使いはじめることができますが、より多機能のプランを利用したい場合や広告を消したい場合には、有料プランに加入する必要があります。
MT4は、口座開設までにMT4に対応した取引所を探し、書類をオンラインで提出した後に口座を開設し、アプリを端末にインストールすることにより、初めて利用できます。
MT4には有料プランはありません。
自動売買機能
MT4が世界中のトレーダーに良く使われる理由の一つに、自動売買機能の充実があります。
MT4には、コードベースと呼ばれる自作のインジケーターや自動売買のストラテジーを公開する場があります。
それらを無料で公開することもでき、さらに製品として販売することもできるのがメリットです。
Trading Viewには、デフォルトでは自動売買機能は備わっていません。
自動売買機能を追加して利用することもできますが、MT4と比べると使いにくいのがデメリットです。
取引のアイディアをSNSで共有できる
Trading Viewには、SNSを利用し、取引のアイディアを世界中のトレーダーと共有できる機能があります。
この機能は、無料プランでも利用可能です。
自分のアイディアの投稿、他のトレーダーのアイディアの参照やコメントのやり取りなど、ソーシャルサービスが使えるのがメリットです。
MT4には、このような機能はありません。
分析ツールの充実度
MT4には、多くのトレーダーに長い間利用されてきた歴史があるため、多数のインジケーターが配布されているメリットがあります。
Trading Viewにもデフォルトで100種類以上のインジケーターがあり、増やすことも可能ですが、数ではMT4にはかないません。
しかし、Trading Viewのインジケーターには、有料プラン限定になりますが、一目で売りと買いの比率がわかるボリュームプログラムや、フィボナッチ数列を応用したハーモニックパターンなど、直感的に分かりやすい分析ツールが増加中です。
描画ツールに関しても、MT4が約30種類に対し、Trading Viewでは無料プランでも50種類以上利用でき、コピーアンドペーストやCtrlキーを押しながらのドラッグなど操作性がシンプルなのがメリットです。
画面分割数
MT4は、無制限に画面分割できるのがメリットです。
端末のディスプレイによって限度はありますが、大画面のディスプレイを利用すれば16分割ぐらいまで表示させると、比較しながら効率よくトレードできるでしょう。
それに対し、Trading Viewは最上位の有料プランでも、最大8画面分割です。
対応するFX業者
MT4は、国内FX業者で約10社、大手の海外FX業者ではほとんどが採用しているのに対し、Trading Viewはオアンダ・サクソバンク証券・FOREXの3社でしか利用できません。
上記の対応するFX業者の口座と連携することにより、MT4やTrading Viewのチャート上から直接注文することが可能になります。
対応するFX業者が少ないのがTrading Viewのデメリットですが、今後Trading Viewを採用するFX業者が増えてくる可能性があります。
Trading Viewのみに備わっている機能
Trading Viewには、チャートバーをリプレイする機能があります。
バーが一本ずつ再生されるため、自分のトレードの検証に役立ちます。
株式でよく使われる銘柄スクリーナーを、Trading Viewで利用できます。
フィルター項目が100以上あり、希望の銘柄や通貨ペアを簡単に探し出すことが可能です。
有料プラン限定で利用できる出来高プロファイル指標は、価格ごとの出来高が棒グラフで確認でき、どの価格帯に注文が集まっているのかを分析するのに便利な機能です。
まとめ
Trading ViewとMT4の違いとメリット、デメリットの比較について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- MT4はインストールする必要があるが、Trading ViewはWebブラウザ上で動作する
- Trading Viewはメールアドレスの登録のみですぐに利用できるメリットがある
- MT4は長い利用実績があり、自動売買の充実や直接注文可能なFX業者が多い
Trading Viewは、Webブラウザが利用できる環境にあれば、インストール不要ですぐに利用できる、新しい取引プラットフォームです。
無料プランでも、豊富な分析ツールが利用でき、SNS機能を使って取引を共有できるなどのメリットがあります。
有料プランにアップグレードすると、さらに多くの機能が利用できます。
MT4は、パソコンなどの端末にインストールする必要があり、利用開始まで複雑な手順をふむ必要がありますが、世界中のトレーダーに愛用されている取引プラットフォームです。
自動売買の充実度や、直接注文ができるFX業者の数が非常に多いことなどがメリットです。