フィボナッチリトレースメントは、自然界に存在するとされるフィボナッチ数列を、トレードに応用した取引ツールです。
フィボナッチ数列は、中世ルネサンス期の芸術家や音楽家などが使っただけでなく、宇宙規模のスケールでも当てはまると言われる理論です。
大きく動いた波動からの戻りを計測する目的で、フィボナッチリトレースメントはトレードにも利用されます。
この記事では、Trading Viewのフィボナッチリトレースメント表示方法と設定の仕方および、Trading Viewのフィボナッチリトレースメント活用方法と売買への活かし方について紹介します。
Trading Viewのフィボナッチリトレースメント表示方法と設定の仕方
フィボナッチリトレースメントは、Trading Viewの無料プランで表示することができます。
Trading Viewにメールアドレスを登録し、チャート画面を開きます。
チャート画面左の上から三つ目をクリックし、「フィボナッチ・リトレースメント」を選択すると、マウスポインターが切り替わります。
チャート上で、始点をクリックした後、終点をクリックすると、選択した範囲内でチャートの背景が横方向に色分けされます。
上昇トレンドの場合は、始点を安値・終点を高値に、下降トレンドの場合は、始点を高値・終点を安値に設定しましょう。
表示されたフィボナッチリトレースメントは、色やレベルなどを自由にカスタマイズできます。
カスタマイズするには、フィボナッチリトレースメントの範囲内で右クリックし、一番上の「設定」を選択します。
そこで、フィボナッチレベルと境界線、背景色、背景の透明度などを変更できます。
標準では、23.6%・38.2%・50%・61.8%・78.6%・100%・168%に設定されています。
数値は小数点で表示されており、例えば23.6%は「0.236」となっています。
慣れないうちはこの数値のままで良いですが、使い方に慣れてくるとよりチャートに合わせて詳細に分析するために、数値を変化させても良いでしょう。
背景色はカラフルで視認性が良いのが特徴ですが、シンプルに白黒などの2色にするなど、自由にアレンジできます。
フィボナッチリトレースメントだけでなく他の分析ツールも表示すると、濃い配色では画面が見えづらくなることもあるため、配色を変えたり、透明度を低くしたりするなど、工夫をしましょう。
さらに、エリアを拡張することにより、未来の反転ポイントを探ることが可能です。
Trading Viewのフィボナッチリトレースメント活用方法と売買への活かし方
フィボナッチリトレースメントの使い方を学ぶために、特に多く使われる61.8%ラインの活用方法を学びましょう。
その他にも、50%ラインや71.8%ラインもよく意識されます。
61.8%ラインは、上昇トレンドの場合、天井から約6割、つまり半分より少し下のラインです。
そのラインで反発する可能性が高いことが、フィボナッチリトレースメントで確認できます。
うまくフィボナッチリトレースメントが当てはまれば、その値幅においてフィボナッチ数列にもとづいた反発が起こっていることがわかります。
そのトレンドが継続するようなら、新たなフィボナッチ数列をもとに、次回の押し目や戻りのポイントが分析できます。
まず61.8%ラインを中心に意識してみて、慣れてきたらその他のラインも見ていきましょう。
時間足が大きいほど、フィボナッチ数列は当てはまりやすいため、最初は日足以上のチャートで練習すると良いです。
慣れてくると、1時間足や2時間足などでデイトレードに活用することも可能となります。
ただし、あまりに短い時間足ではフィボナッチリトレースメントは当てはまらないため、スキャルピングへの活用はおすすめできません。
フィボナッチリトレースメントが使いこなせるようになってきたら、他のインジケーターも併用しましょう。
また、Trading Viewにはフィボナッチリトレースメントと同様にフィボナッチ数列を利用したフィボナッチエクステンションというツールもあります。
こちらは、トレンドの値幅の伸びを予測するツールですが、使い方がやや難しいため、フィボナッチリトレースメントが十分に使いこなせるようになった後に使うのがおすすめです。
まとめ
Trading Viewのフィボナッチリトレースメント表示方法と設定の仕方および、Trading Viewのフィボナッチリトレースメント活用方法と売買への活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- フィボナッチリトレースメントはフィボナッチ数列をトレードに応用した取引ツール
- Trading Viewでは、始点を終点をクリックするだけで簡単にフィボナッチリトレースメントが表示され、自由にカスタマイズできる
- フィボナッチリトレースメントの活用で次の押し目や戻りのポイントが分析できる
自然界に存在するとされ、様々な分野で古くから使われてきたフィボナッチ数列を、トレードに活用した取引ツールが、フィボナッチリトレースメントです。
Trading Viewでは、簡単な操作でフィボナッチリトレースメントをチャート上に表示でき、数値レベルや配色を自由にカスタマイズできます。
フィボナッチリトレースメントを活用することで、エントリーのための押し目や戻りのポイントが分析できます。
まずは、日足以上の時間足のチャートで、フィボナッチ数列が当てはまるかどうかを検証し、徐々に短い時間足でも使えるようになりましょう。