一つの海外FX業者で一つの口座のみ保有するのは、大きなトレードのチャンスを失うだけでなく、リスクも高まります。
同じ海外FX業者で複数口座を持つことや、複数業者で口座を開設するのは難しくありませんが、注意点もあります。
この記事では、海外FXで複数口座や複数業者を利用するメリットとデメリット、複数口座を運用する際の注意点について、説明します。
海外FXで複数口座や複数業者を利用するメリット、デメリット
メリット
海外FXで複数口座や複数業者を利用する最大のメリットは、リスクヘッジです。
「卵は一つの籠に盛るな」という投資格言があります。
これは、複数の籠に卵を分散することにより、一つの籠を落としても、他の籠が無事なら被害が少なくて済むというリスクヘッジを意味します。
FX業者は倒産のリスク、システムダウンのリスク、その他にも臨時メンテナンスなどの理由でその口座が利用できない場合があります。
それを回避するために、複数のFX業者に資金を分散し、いずれかの口座に資金やポジションを残しておくことが大事です。
また、トレードのチャンスに一つのFX業者にログインできなくても、他のFX業者にも口座があれば、トレードができるため、チャンスを逃しません。
もし、両建てが禁止されていない海外FX業者で複数口座を開設していれば、一つの口座で買いポジション、もう一つの口座で同じ通貨ペアを売りポジションでトレードすることも可能です。
つぎに、同じ海外FX業者で複数口座を開設することで、口座ごとにトレードツールや口座タイプを変えることができ、トレードの幅が広がります。
また、口座ごとにトレードする通貨ペアを決めておく方法もあります。
また、同じ業者で複数口座を開設する場合、二つ目以降の口座からは本人確認書類の提出が必要ありません。
XMでは、最大八つまで開設できるため、その分本人確認の手間が省けます。
また、複数業者でそれぞれ口座を開設し、MT4などのトレードツールを使い回すことが可能です。
多くの海外FX業者ではMT4を採用しているため、使い慣れたツールでトレードできるのがメリットです。
海外FX業者で口座開設すると、口座開設ボーナスをもらうことができる場合があります。
これを複数の業者で行うと、それぞれの業者でボーナスを受け取ることが可能です。
その他にも、入金ボーナスなど業者ごとにキャンペーンが行われるため、それを利用すると自己資金をあまり使わずにトレードができます。
海外FX業者では、それぞれが独自のトレード情報を配信しているため、複数の情報を得ることができます。
デメリット
複数口座や複数業者を利用する際には、口座が増えることによる資金管理が大変になるというデメリットが伴います。
どの海外FX業者で口座開設をしたか、それぞれの業者でいくつの口座を保有しているかを記憶するのは大変なため、一覧表にするなど、自分自身でポートフォリオを形成する必要があります。
また、ポジションを保有しているのを忘れ、そのまま放置してしまうと利益を取り損なうことにもつながりかねません。
資金が分散するため、トレードのロット数が減る、もしくは一度に持つことができるポジションの数が限定されることがあります。
海外FXでは、数百倍のハイレバレッジでトレードできるため、それをうまくいかせばこのデメリットは解消できます。
とはいえ、口座タイプによっては低いレバレッジしか適用されないこともあるため、資金の分散のしすぎには注意が必要です。
複数口座を運用する際の注意点
多くの海外FX業者では、業者間のレート差を利用したアービトラージを禁止しています。
別の業者であっても、システムにより規約違反の行為はすぐに判明してしまうため、注意しましょう。
同一業者で、複数口座を使っての両建ても、ほとんどの海外FX業者で禁止されています。
その他、窓開けを狙った両建てなども規約違反になることがあり、それらのルールを破ると、出金制限や口座凍結などの措置が取られることがあります。
複数業者を利用すると、情報を多く得ることができるメリットがある反面、業者から様々なメールが送られてくることがあります。
必要な情報と、不要な情報、商品やサービスのセールスまで自分で振り分けるのが面倒になることがあります。
メールの設定で、不要な業者からのメールなどをフィルタリングすることで、不要な情報を減らすこともできますが、必要な情報まで見ることができなくなる場合もあり、注意が必要です。
海外FX業者によっては、口座維持手数料が必要となります。
むやみに管理しきれないほど多く口座を開設すると、数か月ごとに徐々に資金が減少していきます。
それを回避するためには、口座維持手数料が発生する前にトレードをする、口座から資金を引き出す、口座を解約するなどの方法があります。
通常、入金額を超える口座維持手数料が請求されることはありません。
XMのように新規口座開設ボーナスがある海外FX業者で、追加口座を開設しても、ボーナスは新規付与されません。
また、新規口座開設ボーナスが発生しない口座タイプで新規口座を開設し、その後に同じ業者で、新規口座ボーナスが発生する口座タイプの口座を追加で開設しても、ボーナスをもらうことはできません。
海外FXなどの利益が年間20万円以上になると、給与所得者であっても確定申告が必要となります。
その際、複数口座があると、全ての海外FX業者の取引履歴を保存し、その収支を申告する必要があります。
その取引履歴は、最低5年間保存しておく必要があるため、注意しましょう。
また、海外FXの確定申告は、申告分離課税が適用されないため、国内FXの確定申告とは税率が異なり、損失の繰り越しもできません。
複数口座や複数業者の数が多いと、毎年その取引履歴を保存する必要があるため、あまり使わない口座や業者は解約した方がよいかもしれません。
まとめ
海外FXで複数口座や複数業者を利用するメリットとデメリット、複数口座を運用する際の注意点について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 海外FXで複数口座や複数業者の利用はリスクヘッジなどのメリットがある
- 複数口座や複数業者を利用すると資金管理が大変になるなどのデメリットがある
- 海外FXは複数口座や複数業者を利用すべきだが、多すぎないように注意すべき
海外FXを行う際、複数口座や複数業者を利用する方がリスクヘッジになり、トレードで稼ぐチャンスにもつながります。
その他、複数の業者からの情報を得ることができる、入金ボーナスをより多くもらうことができるなどのメリットがあります、
一方で、口座数が増えると、資金管理が大変になるなどのデメリットがあります。
また、資金が分散するため、トレードのロット数やポジション数が制限されることもあります。
口座維持手数料が発生する業者もあるため、口座数をコントロールし、不必要な口座は解約するなどの工夫も必要です。