ECBはユーロ圏の金融政策を行う機関で、ユーロ圏内の民間銀行に貸し出す金利の上下を決定する中央銀行の役割を持っています。
ECBが金融政策の方針を決定することで、ユーロ圏の各国の銀行や金融市場が大きな影響を受けるため、投資を行うかたは注目すべきです。
この記事では、2022年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて説明します。
2022年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイント
- 2月3日
- 3月10日
- 4月14日
- 6月9日
- 7月21日
- 9月8日
- 10月27日
- 12月15日
2021年12月のECB理事会においては、インフレは2022年内に緩和されるとの予測を示しました。
しかし、インフレがさらに加速する可能性も否定できないと発言するメンバーもいたため、2022年以降、ECBがどのような方針を打ち出すか、注目されています。
1992年にECBが設立されて以来、EUの物価や経済の安定のため、そしてユーロの国際的な信頼性を高めるために金利を調整してきました。
これまでも、リーマンショックやギリシャ・アイルランド等の財政問題が発生し、その都度、ECBがユーロ危機への対応を最優先に行っています。
2020年~2021年は、世界的に経済が大きく落ち込み、流通が滞るなどから、ECBにも慎重な決定が求められてきました。
2021年12月のECB理事会で、2021年のGDP成長率を5.1%と予測したのに対し、2022年は4.2%で、9月の予想より0.4%成長率を低く予想しています。
また、インフレ率は2021年を2.6%と予測したのに対し、2022年は3.2%と予測し、9月の予想よりも1.5%も高く予想していますが、2023年、2024年にかけて次第にインフレが抑制されていくとしています。
また、PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)は2022年3月末に終了することが決定しており、資産買い入れが減少する見通しであることから、徐々に経済が正常化に向かうための舵取りが、ECBに求められています。
アメリカのFRBが、2022年の早い段階での利上げを行い、インフレ抑制を目指している方針であるのに対し、ECBはFRBほどは金融引き締めを急がないようです。
一方で、8回あるECB理事会のうち、大きな利上げが1~2回はあると予測されており、それが前倒しで2月もしくは3月に行われるのでは、とも言われています。
その根拠は、やはり長引くインフレで、ECBが早めのインフレ抑制に方針を打ち出す可能性があり、そうなるとユーロ米ドルや、ユーロ円などの通貨ペアが一気に上昇するなどのチャンスが生まれます。
まとめ
2022年のECB開催時期(スケジュール)と注目ポイントについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 2022年のECB理事会は、2月3日、3月10日、4月14日、6月9日、7月21日、9月8日、10月27日、12月15日に実施
- ECBはユーロ危機を回避し物価や経済を安定させる役割を担う
- ECBが利上げをいつどのタイミングで行うかが注目ポイント
ユーロ圏内の民間銀行等の金利を上下させるなど、EUの中央銀行の役割を持つECBの理事会が、2022年は2月3日、3月10日、4月14日、6月9日、7月21日、9月8日、10月27日、12月15日の計8回行われます。
経済の落ち込みやインフレなど様々な問題を抱えるEUにおいて、どのタイミングで金利の引き上げが行われるかなど、ECBの方針には注目する必要があります。