FXのチャートを分析する上で、ローソク足の活用は基本中の基本です。
ローソク足は視覚的に値動きが分かりやすく、1本よりも複数のローソク足の方がより多くの情報を読み取ることができますが、まずは2本のローソク足の組み合わせを学ぶのがおすすめです。
この記事では、2本のローソク足のうち、包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)の意味と値動きの特徴、包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)をトレードに活かす方法を紹介します。
包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)の意味と値動きの特徴
- 包み足(アウトサイドバー)とは、1本目の小さいローソク足を2本目が包むようにかぶさるような、2本のローソク足の組み合わせ
- はらみ足(インサイドバー)はその逆で、1本目の比較的大きいローソク足の後に、2本目のローソク足が収まるような形
より細かく言うと、1本目のローソク足の実体部分の中に、2本目のローソク足の実体部分が完全に収まっている必要があります。
包み足もはらみ足も、共にエネルギーを貯めている状態のため、反転を示すシグナルとして機能しやすいです。
包み足は、2本目のローソク足が前のローソク足を覆う状態となっており、値動きの幅が拡大している状況です。
1本目が陰線、2本目が陽線の場合は、陰線を打ち消して陽線が強くなる状況のため、下降トレンドから上昇トレンドに反転するシグナルと考えられます。
1本目が陽線、2本目が陰線の場合はその逆で、下降トレンドへの転換点となります。
はらみ足は、勢いが衰える状況にあり、新たなトレンドに向けてエネルギーを蓄えていることを意味します。
1本目の大きな陽線に続いて2本目の小さい陽線がある場合、上昇トレンドの勢いが弱まり、反転して下降する可能性が高いです。
1本目が陽線で2本目が陰線、またはその逆の場合は、エネルギーを蓄えながらもどちらのトレンドになるか不明のため、3本目のローソク足の動きにより上昇トレンドか下降トレンドか、などを判断します。
包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)をトレードに活かす方法
包み足とはらみ足はチャート上にかなり頻繁に登場しますが、トレンド転換として活用するには、高値圏や底値圏にある時を選るのがおすすめです。
特に、ひげが高値圏で上に、または底値圏で下に長く伸びている場合には、トレンドが反転する可能性が高まります。
高値圏や底値圏でなくても、長い間もみ合いの状態で、レンジから離れたタイミングで包み足が出現した場合にも同様に、トレードのチャンスがあります。
本当にトレンドになるかどうかを判断するために、より小さい時間足で確認する方法があります。
例えば、1本目が陽線で2本目が陰線の包み足の場合、時間足を小さくし、「M」の字を形成してそこから右肩下がりに落ちていく様子が見て取れると、下降トレンドに入ったことが分かります。
包み足は反転のサインとなりやすいのに対し、はらみ足はまだ反転すると確定しておらず、ダマシとなりやすいため注意しましょう。
はらみ足の場合は、あくまでトレンド転換の予兆と捉え、その後の値動きに備えるための準備段階と考えると良いです。
そのため、包み足とはらみ足とでは、エントリーするタイミングが異なります。
包み足はトレンドの方向が分かっているため、高値または安値をブレイクする前に、成り行き注文しても問題ありません。
ただし、包み足はトレンドの反転が確定したとは限らないため、ブレイクするタイミングに指値注文をする方がおすすめです。
それに対し、はらみ足はトレンドの方向が不明なため、2本のローソク足のみで判断するのは危険です。
どうしてもブレイクする前にエントリーしたい場合は、確実に逆指値を入れ、リスクを最小限に抑えましょう。
それよりも、トレンドの反転が確定した後にエントリーする方が良いです。
はらみ足の後に、包み足が出現すると、反転シグナルとしての信頼性が高まります。
さらに、包み足やはらみ足が他のダブルトップや三尊天井と同時に見られた場合も同様に、トレンド転換のシグナルとして信頼できるでしょう。
その他にも、移動平均線やトレンドライン、各種インジケーターと組み合わせて活用すると、さらに有効です。
まとめ
包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)の意味と値動きの特徴、包み足(アウトサイドバー)、はらみ足(インサイドバー)をトレードに活かす方法について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 包み足(アウトサイドバー)は値動きの幅が拡大している状態で、トレンドが反転するシグナルとして機能しやすい
- はらみ足(インサイドバー)は値動きの勢いが衰えている状況で、トレンドが反転する予兆を示す
- 高値圏や底値圏、もみ合いから抜けた時などに包み足やはらみ足は有効
ローソク足の組み合わせの中でも、包み足(アウトサイドバー)とはらみ足(インサイドバー)は発見しやすく、有効に機能します。
包み足は値動きの拡大、はらみ足は値動きの縮小を意味していますが、包み足がトレンドの反転として活用しやすいのに対し、はらみ足はまだトレンドの反転が確定していないため、次のローソク足の動きを見る必要があります。
包み足やはらみ足が高値圏もしくは底値圏で発見できた場合は、エントリーのチャンスです。
長いもみ合いの後に包み足がある場合も、同様にチャンスです。