ローソク足は、FXのトレードにおいて様々なヒントを与えてくれますが、そのパターンは多岐にわたり、二つ以上のローソク足の組み合わせをいきなり覚えるのは困難です。
その点、ピンバーは一つのローソク足の中に多くの情報がつめこまれており、トレードに活かすことも比較的容易です。
この記事では、ピンバーの意味と値動きの特徴、ピンバーをトレードに活かす方法について紹介します。
ピンバーの意味と値動きの特徴
ローソク足は、たとえ一本でも非常に多くの情報が含まれ、トレーダーの心理を反映します。
ローソク足は実体部分とヒゲとに分類されますが、その中にヒゲが長く実体部分が短いものがあり、さらに一定の条件を満たしたものをピンバーと呼びます。
ピンバーの語源は、童話ピノキオで、長い鼻のような形状をしていることが由来となっています。
実体部分が短いということは、始値と終値があまり変わらないことを意味しますが、ヒゲが長いため、その時間足内において買い注文と売り注文とのせめぎあいが起こったということです。
ピンバーの明確な定義はなく、似たような形状で始値と終値がほぼ等しい同事線・トンボ・十字線、ヒゲが一方向のみにのびているカラカサ・トンカチと区別がつきにくい場合が多々あります。
目安として、ひげの長さが実体部分の3倍以上あり、実体部分が短すぎず上下いずれかに長いヒゲと短いヒゲがそれぞれある状態であれば、ピンバーと判断できます。
また、実体部分は陽線か陰線かはあまり重要ではないため、気にしなくても良いでしょう。
ピンバーが出現すると、強力なトレンドの反転となる可能性が高いです。
その理由は、ピンバーが出現したタイミングは買い注文と売り注文とが交錯し、結局は始値と終値が近い状態に戻っているためです。
つまり、ピンバーの時間足では、強い上昇(もしくは下降)があったものの、それに反発する同等に強い下降(もしくは上昇)の勢いがあり、ピンバーの次のローソク足はそれまでのトレンドとは逆の動きになりやすいです。
また、ピンバーはFX初心者でも発見しやすいですが、中上級のトレーダーも注目しており、強く意識される反面、ダマシにもなりやすいため注意が必要です。
ピンバーは、高値圏や安値圏に出現した場合には、より反転する確率が高くなります。
さらに、レジスタンスラインやサポートライン、その他トレンドラインなどの付近に出現した場合だと、より確実でしょう。
ピンバーのヒゲの部分では、売り手と買い手との激しい攻防があり、結果として両者が均衡しています。
ただ、その値動きの細かい経緯はピンバーのみでは分からないため、より詳しく知るためには時間足を短くしてみましょう。
すると、ツーバーリバーサルと呼ばれる、異なる色のローソク足の実体が並んでいたり、複数のローソク足で上昇後に下降(またはその逆)が見られたりした場合には、反転するとみて良いです。
ピンバーの応用として、上昇トレンド中に天井圏でピンバーが発生し、その後下降トレンドとなっている場合、そのピンバーをスパイクハイ(逆の場合はスパイクロー)と呼ぶことがあります。
ピンバーをトレードに活かす方法
ピンバーは、高値圏や安値圏で発生した時にエントリーのチャンスです。
ただし、あまり短い時間足では反転のサインとしては弱いため、長い時間足から確認していくようにしましょう。
まずは日足以上から確認し、1時間足ぐらいまでピンバーがないか見ていき、それ以下の時間足は参考程度にしたほうが良いです。
例えば、上昇トレンドで売りエントリーのタイミングは、高値付近で出現したピンバーのヒゲの上部がレジスタンスラインで押し戻され下降しはじめるタイミングです。
この時、ダブルトップや三尊天井の最後の山でピンバーを発見できれば、より大きなチャンスとなります。
もちろん、そのまま上昇トレンドが続く可能性も否定できないため、ダマシにあわないようにネックラインをブレイクしたタイミングでエントリーするなどし、損切りも入れておきましょう。
逆に、すでにポジションを持っている場合に、チャートの途中でピンバーを見つけた場合は、利益確定ポイントになります。
まとめ
ピンバーの意味と値動きの特徴、ピンバーをトレードに活かす方法について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- ピンバーは実体部分が短くヒゲが長いローソク足で、目安としてひげの長さが実体部分の3倍以上あるものを指す
- ピンバーは強力なトレンドの反転を意味する
- ピンバーはエントリーのチャンスであると同時に利益確定のポイントにもなる
ピンバーは一本のローソク足で、実体部分が短くヒゲが長いのが特徴です。
高値付近で上に長いヒゲがあるピンバーもしくは、安値付近で下に長いヒゲがあるピンバーは、トレンドが反転する可能性が高いです。
レジスタンスラインやサポートラインなどと組み合わせ、ピンバーを有効に活用することで、エントリーのタイミングを正しくつかんだり、利益確定に役立てたりすることができます。