新築住宅が多く建設されていると、一般的に景気が上向いていると判断できます。
特に、アメリカにおける建築許可件数を探ると、為替にも影響を及ぼすため、トレードに活かすことが可能です。
この記事では、米建築許可件数の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について説明します。
米建築許可件数の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方
- アメリカ国内で1か月に建設される新築住宅について、米商務省が調査した結果を毎月公表する経済指標
より具体的には、アメリカ国内で1か月に建築され、地方自治体等への建築許可申請が必要な地域で許可発行された新築住宅の件数が調査の対象となっています。
これは、あくまで許可申請された住宅の件数であり、実際に着工された件数ではありませんが、許可申請された住宅はかなり高い確率で着工されるため、信憑性が高い数値です。
また、米建築許可件数は許可申請が必要な地域のみを対象とし、米国国内で建築許可が必要ではない地域は調査の対象外のため、同時期に発表される米住宅着工件数よりも少ない傾向にあります。
米建築許可件数は計測期間の翌月の3週目に公表され、月末時点において未着工の件数を含み計測されます。
アメリカの景気の先行指標として米建築許可件数はとても重要で、為替においても金利面が注目されている時に特に重視されます。
新規住宅の建築は、家具や家電など耐久消費財の購入も同時に増加する可能性が高く、個人消費の増加も予想できます。
さらに、住宅を新たに購入できるだけの安定した雇用状況にもあると考えられ、雇用市場の動向が良くなっていることも示しています。
気候変動や自然災害により左右されやすいという特徴があり、近年ではアメリカ国内においても気候変動が多発しているため、そのあたりの事情も考慮する必要があります。
一般に、建築許可件数の増加は住宅ローンの金利引き下げの数か月後に起きるという特徴があり、2023年はFRBにより金利が引き上げられる可能性が高いため、それが米建築許可件数の抑制要因になりえます。
実際に、2022年5月以降は継続して米建築許可件数の上昇率が鈍化しています。
今後も金利が上がると、建築許可件数も低迷し、それがアメリカの景気が停滞することを意味すると判断されると、米ドルが相対的に弱くなったとされ、米ドルの通貨ペアに影響を与えます。
FXのトレードに米建築許可件数を活かすことが可能ですが、上記のように気候や自然災害に左右されやすいなどの理由により月ごとの変動が非常に激しいため、地域別のデータや3か月ごとの移動平均をとること、さらには長期金利の増減にも注目する必要があります。
2023年はしばらくは住宅の新規建築が冷え込むと考えられますが、景気の予想以上の冷え込みで利下げに動くことなど、他の経済指標や経済情勢も踏まえ上で参考にすると良いでしょう。
まとめ
米建築許可件数の意味とFXへの影響、トレードへの活かし方について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 米建築許可件数は、アメリカ国内で建築をはじめるために取得された許可証の数の指標
- 米建築許可件数は先行指標として重要だが、天候や自然災害などの理由により月ごとの変動が激しい
- 米建築許可件数をFXのトレードに活かすには地域別のデータや3か月ごとの移動平均などを活用すべき
アメリカの景気を探り、FXトレードに役立てる上で、米建築許可件数は先行指標として役立ちます。
米建築許可件数はアメリカ国内において、新規建築の許可申請を調査した経済指標ですが、全ての地域で建築許可申請が必要ではないため、米住宅着工件数よりも少ない傾向にあります。
FXトレードに使う際、地域別のデータや3か月ごとの移動平均などに注意し、活用しましょう。