FXには、テクニカルやファンダメンタルなど様々な要因が絡み合って価格を形成します。
それらとは別に、アノマリーという要因もあり、これが相場に影響することもあります。
この記事では、FXで使えるアノマリーの意味と主なアノマリー、FXの月ごとの為替変動の傾向や季節要因について説明します。
FXで使えるアノマリーの意味と主なアノマリー
アノマリーとは投資における変異性のことで、テクニカルやファンダメンタルでは説明できないものの、かなり高い確率で為替相場を動かすことがあります。
FX初心者のうちは、アノマリーをあまり意識する必要はありませんが、FXを本格的に行うプロトレーダーの多くがアノマリーを積極的に利用していることから、知っておいて損はありません。
また、アノマリーばかりを意識していては、FX相場の大局を見誤ることもあるため、ある程度FXのやり方に慣れ、チャートの分析ができるようになった後、アノマリーを活用すると良いでしょう。
アノマリーには様々なものがあり、中には信憑性が疑われるものもありますが、実際の相場の値動きにそのとおりに反映されることもあります。
有名なアノマリーとして、ゴトー日があります。
ゴトー日とは、数字の5と10がつく日のことで、ドル円が上昇する傾向があります。
その根拠は、日本の輸入企業などのドル決済が必要な企業が、ゴトー日に円を売るためだとされています。
また、マーケットが休みとなる土日のスワップが水曜日にまとめて付与されることから、高金利通貨が買われやすい、水曜日スワップもあります。
あとは、金曜ロードショーでジブリの映画が放送され、その後に米雇用統計が発表されると暴落する傾向にある、というアノマリーも有名ですが、もちろん明確な根拠はありません。
FXの月ごとの為替変動の傾向や季節要因
FXには、月ごとに為替変動の傾向があり、これを押さえておくことが有効です。
1月は、1年の為替相場を占う意味で、とても重要です。
具体的には、1月に相場が下がるとその年は下落相場、1月に相場が上がると上昇相場になるというものです。
さらに、1月の相場がその年の高値もしくは安値になることも珍しくなく、どちらかというと高くなりがちです。
2月は、1月の反動で戻り買いもしくは売りが入りやすいです。
ここには、米国債の償還や利払いも関係しているとされ、ポジション解消に向けた動きが影響しています。
ドル円が下落する可能性が高いことを覚えておくと良いでしょう。
3月は、日本企業が年度決算のために保有外貨を円に換える動きがあり、特にドル円は2月以上に下落の可能性があります。
また、春になり新年度を迎える上で新規企業や事業拡張などでお金が動きはじめることにより、大きく為替が動きはじめます。
その流れを受け、4月には新規の資金が動くことから、株価が上昇し、外貨投資に多くの資金が流れる影響もあってドル円などの日本円ペアの通貨が上昇しやすいです。
5月の有名なアノマリーの言葉で、「セルインメイ」というのがあります。
文字通り、5月には、株を売った方が良いという意味です。
3月から4月にかけて大きく動いた相場で、いったん利益確定の動きが見られることから、株式やドル円など、売られる傾向が強く、この流れは6月も継続します。
特に6月はその動きがピークを迎えることが多く、その年の安値(高値の場合もあり)をつけやすいです。
7月と8月は、「夏枯れ相場」と呼ばれ、比較的値動きが少ないです。
日本で言えば、お盆休みなどはあまり動かず、お盆にまとまった資金を得るためにお盆前に利益確定の売りがある程度です。
9月は、アノマリーとして相場が大きく動くことが知られています。
確率としては、買いの動きが入ることが多く、9月~10月にかけての為替相場の動きが年末にかけて続く傾向にあります。
ただし、アメリカ合衆国のアノマリーに「10月効果」と呼ばれるものがあり、それによると株価が大暴落して底値をつけやすいとも言われているため、注意が必要です。
11月は、9月からのトレンドがそのまま続く場合と、ポジション調整で切り替わるタイミングとなる場合に分かれ、ちょっと読みづらい展開となります。
12月は、とても荒れやすい相場となります。
年末やクリスマスの休暇に向け、ポジション調整のために売りが増えることで株価が暴落し、ボラティリティが大きくなることが予想されます。
そうなると、FXも大きな値動きが続き、トレンドが出にくいため、初心者には難しい相場となりやすいです。
これらのアノマリーや季節的要因は、あくまで参考程度にし、トレードで迷ったときの判断材料の補足ぐらいとして使うことが良いでしょう。
まとめ
FXで使えるアノマリーの意味と主なアノマリー、FXの月ごとの為替変動の傾向や季節要因について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- アノマリーとは投資における変異性のことで、FXでも使うことができる
- アノマリーは当たることが多い反面、根拠がないものも多く、信頼しすぎるのは禁物
- 月ごと、季節ごとにアノマリーがあり、それらをFXの参考に用いることは有効
アノマリーとは投資における変異性のことで、FX初心者にはあまりなじみがないですが、プロのトレーダーもアノマリーを意識することがあるため、FXで勝つための参考に用いると良いでしょう。
ゴトー日、水曜日スワップ、セルインメイなど、有名なアノマリーを覚えておくと、FXトレードで判断に迷ったときの判断材料として使うことができます。
ただし、アノマリーを過信しすぎるのは良くないので、参考程度にすることをおすすめします。